長い冬が明け、春の訪れを知らせてくれる花々。特に果樹栽培が盛んな長野県は、多彩な果樹の花が楽しめるのも魅力です。また、残雪の山々と花々のコントラストも美しく、毎年多くの観光客を魅了しています。
春の便りをいち早く運ぶ梅の花。花持ちが長く、周囲に漂う甘い香りも魅力
春の到来を告げる梅の花は「花よし、香りよし、果実よし」といわれる三拍子揃った花木。「松竹梅」と並べておめでたいもののひとつともされています。長野市信州新町は北信随一の小梅の生産地として知られており、犀川沿いの信州新町美術館対岸にある「ろうかく梅園」は約800本もの竜峡小梅が咲き誇る梅の名所として有名です。毎年4月上旬には「ろうかく梅園花まつり」が行われ、梅の花の香りに包まれながら梅の花の下、ジンギスカン焼肉などが楽しめるほか、農産物や特産品の販売、ミニコンサートなどのイベントも開催。のんびりと信州の春を愛でる人々でにぎわいます。
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例年の見頃:3月下旬~4月上旬
<おすすめ外部サイト>
信州新町観光協会
淡いピンク色の花が咲き誇る日本一の規模を誇るあんずの里
ひと目で多くの花が見渡せることから「一目十万本」「日本一のあんずの里」として名高い千曲市。江戸時代前期の元禄時代、伊予宇和島藩主・伊達宗利公の息女・豊姫が第三代松代藩主・真田幸道公に輿入れの際、故郷をしのんで持ち込んだあんずの苗が原型といわれており、森地区と倉科地区の標高380~450mの緩やかな傾斜地には一面のあんず畑が広がっています。「上平展望台」や「窪山展望公園」まで行くと、天気の良い日は戸隠山や飯縄山など美しい山々の残雪と青空、そしてピンクの花のコントラストが楽しめ、毎年、開花時期には「あんずまつり」も開催。期間中は約20万人もの花見客が訪れます。2016年の第61回あんずまつりは4月1日(金)~17日(日)に開催予定。
また、長野市松代町東条もあんずの花の名所として知られ、約6000本のあんず畑が山のふもと一帯を覆います。
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例年の見頃:4月上旬~中旬
<おすすめ外部サイト>
千曲市観光協会
ながの観光コンベンションビューロー 長野の花だより
エコール・ド・まつしろ倶楽部(東条あんずまつり問い合わせ先)
日本文化のなかに根付き春を語るうえで欠かせない花「桜」
▲神代桜
▲臥竜公園
城跡や古刹、公園のほか、古木の一本桜など、各地に桜の名所が揃う長野県。長野市だけでも、善光寺東隣にある市内随一の桜の名所で、長野県の花見の風物詩ともいえる”花見茶屋”での花見も楽しめる「城山公園」や善光寺裏手の「雲上殿」、”川中島古戦場”ともよばれる「八幡原史跡公園」、「茶臼山恐竜公園」入り口や真田十万石の城下町「松代城跡」、樹齢約300年のシダレザクラが咲く「光林寺」や上信越自動車道長野IC近くの「典厩寺」などのほか、国の指定を受けた天然記念物の一本桜「神代桜」、古道の旅人を見守ってきた「巡礼桜」といった数々のお花見スポットが存在しています。
また、市外へ足を伸ばせば、ライトアップも見事な須坂市の「臥竜公園」や、”千本桜”として知られる上田市の「上田城跡公園」、小諸市の「懐古園」や高山村の大樹「水中のシダレザクラ」といった数え切れないほどの名所が広く点在。すでに他県で桜を鑑賞した人も、長野県ではひと足遅い桜を楽しむことができるため、ちょっとしたお得感に浸ることができます。
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例年の見頃:4月中旬~5月上旬
<おすすめ外部サイト>
長野県公式観光ウェブサイト「さわやか信州.net」信州さくらだより
(公財)ながの観光コンベンションビューロー 長野の花だより
薄桃色の可憐な花を咲かせひな祭りのシンボルでも知られる桃
▲須坂市の桃畑
ピンクのかわいらしい花を咲かせ、多産を意味する縁起のよい花とされたことから女性を象徴する存在として古くから愛されている桃。花を楽しむ「花桃」と、食用の「実桃」がありますが、長野市周辺で楽しめるのは桜に似た一重の薄紅の花が咲く「実桃」です。よく知られるのが、長野市の北隣に位置する飯綱町の景勝地「丹霞郷(たんかきょう)」。約10ヘクタールの広さに1500本もの桃木があり、北信五岳を望む景色は、昭和8年にこの地を訪れた洋画家、岡田三郎助が「まるで丹(あか)い霞がたなびいているようだ」と言ったことから名付けられたといわれています。
また、県下有数の果物産地として知られる須坂市では、須坂長野東ICそばの千曲川河川敷に約24ヘクタールもの桃畑が広がり、およそ8000本の鮮やかな桃の花が咲き揃います。長野市では「川中島白桃」のブランドでも知られる川中島平一帯にも桃畑があり、薄桃色の花が一面に広がります。
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例年の見頃:4月下旬~5月上旬
<おすすめ外部サイト>
飯綱町観光協会 飯綱町の観光情報
信州須坂 須坂のみどころ
長い冬の景色を一変させる一面の黄色い絨毯
▲長野市中条アルプス展望広場
「菜の花畠に入り日薄れ」で始まる唱歌『朧(おぼろ)月夜』に歌われたといわれている「飯山市菜の花公園」。13ヘクタールの土地に800万本もの黄色の菜の花が咲き、残雪の山々と千曲川を眺望する絶景スポットとして知られています。信州のサンセットポイントに選定された夕景も見事で、毎年5月3日~5日には「いいやま菜の花まつり」も開催されます。ほかにも、飯山市内の北竜湖や、飯山市に隣接し野沢菜発祥の地としても知られる野沢温泉村にも菜の花畑が広がっています。
また、長野市では、約1ヘクタールの畑に咲き誇る菜の花と上空に泳ぐたくさんのこいのぼり、そして北アルプスを望む長野市中条御山里のアルプス展望広場(夢の駅)が撮影スポットとして人気。ほかにも、小布施町の「小布施橋」たもと「千曲川ふれあい公園」は、菜の花のほか、八重桜や花桃が色とりどりに咲くビュースポットになっています。
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例年の見頃:4月中旬~5月上旬
<おすすめ外部サイト>
長野県公式観光ウェブサイト「さわやか信州.net」信州花だより 菜の花
飯山市公式サイト いいやま菜の花まつり