フィニッシュ後、温泉に浸かるランナーは数多くいるのではないでしょうか。温泉には疲労回復効果があって、疲れた身体を癒してくれます。信州には200以上の温泉があり、以前の特集vol.2ではフィニッシュ会場から10km圏内の温泉をご紹介しましたが、少し足を伸ばせば、さらに泉質も効能もさまざまな天然温泉がたくさんあります。長野駅から公共交通機関を使ってのアクセスもよく、車でも1時間以内で日帰り温泉が楽しめる温泉郷をご紹介します。
開湯1350余年の歴史をもつ温泉。長野電鉄湯田中駅からのアクセスも便利!
長野電鉄湯田中駅を下車してすぐに位置する湯田中温泉。駅に隣接している掛け流し天然温泉「楓の湯」は無色透明の湯で内湯と露天風呂があり、値段もリーズナブル(大人300円・小学生150円)で地元の人にも親しまれています。休憩所からはホームに発着する電車を眺めることも。駅前には無料の足湯が設置されていて、気軽に温泉を楽しむことができます。
また、ホテルゆだなか内の「湯田中ヘルスケアセンター」は宿泊客以外も日帰り入浴可(大人500円・小人300円)。プレスバス・漢方薬湯・滝湯などいろんな種類のお風呂やサウナ、温水プールがあり、別料金を払うとリクライニングシートやベッドで仮眠もできます。
さらに、北信濃を代表する老舗旅館「よろづや」も日帰り入浴が可能です(大人1,300円)。登録有形文化財に指定された木造伽藍建築の大浴殿「桃山風呂」と、信州屈指の大きさを誇る大露天風呂が自慢で、日本の大浴場ベスト10にも選ばれています。なお「よろづや」の日帰り入浴は平日のみで、休館日もあるため事前に問い合わせを(TEL:0269-33-2111/受付時間 9:00~18:00) 。
観光情報vol.4「宿周辺の観光情報」では渋温泉とまとめて「湯田中渋温泉郷」として紹介しています。
アクセス/
長野電鉄湯田中駅(長野駅から特急で約50分)下車
信州中野ICから約20分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
湯田中温泉観光協会
全ての旅館と外湯は100%源泉掛け流し。昔ながらの石畳の温泉街をめぐる楽しみも
志賀高原の入り口にあり、石畳が続く懐かしい温泉風景を堪能できる渋温泉。約1300年前に奈良時代の高僧・行基によって開かれ、武田信玄の隠し湯ともいわれています。
温泉街にはそれぞれ泉質、効能が異なる100%源泉掛け流しの9つの共同浴場(外湯)があり、日帰り入浴は温泉街の中心に位置する9番湯の「大湯」のみ利用可能(10時~16時、大人500円・小人300円)。入浴券は渋温泉観光案内処または渋温泉有料駐車場受付で販売しています。長い歴史を重ねた木造の浴槽は趣があり、湯は鉄分を多く含んだ茶褐色。洗い場はなく洗髪は禁止です。隣には足湯「のふとまる」があり、ここでも茶褐色の湯を無料で堪能できます。
このほか「石の湯(500円)」といった日帰り入浴専用施設があり、いくつかの宿でも日帰り入浴が可能。なお、旅館宿泊者であれば9つの外湯はいずれも入浴可能で、すべてをめぐると苦(九)労を流し厄除け、不老長寿にご利益があると言われています。
観光情報vol.6「信州1日観光」では近隣に位置する「地獄谷野猿公苑」も紹介しています。
アクセス/
長野電鉄湯田中駅(長野駅から特急で約50分)から「上林」行きバスで約7分(渋温泉入口または渋温泉和合橋停留所にて下車)または駅からタクシーで約5分
信州中野ICから約25分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
渋温泉旅館組合
松川渓谷沿いを中心に広がる8つの個性豊かな温泉
長野市中心部から東へおよそ20km。松川渓谷沿いの標高600mから1500mまでの間に、奥山田温泉、七味温泉、五色温泉、松川渓谷温泉、山田温泉、蕨温泉、子安温泉、YOU游ランドの8つの異なる泉質や効能をもった個性豊かな温泉が点在しています。温泉郷内は日帰りで入浴できる施設が多数。
開湯200年の歴史をもつ山田温泉の「大湯」や、効能豊かでリピーターが多い「子安温泉」は共同浴場として地元の人にも親しまれているほか、YOU游ランドは入浴だけでなく水遊びができる渓流広場やターゲットゴルフ場、マレットゴルフ場、室内温泉プールなどさまざまな施設をもち、一大プレイランドとして1日中楽しめます。
また、七味温泉や松川渓谷温泉、奥山田温泉などは旅館でも日帰り入浴が可能。早朝や比較的遅い時間まで営業している施設も多いので、時間を気にせずゆっくりと湯浴みを楽しむことができます。
観光情報vol.6「信州1日観光」では周辺観光もご紹介しています。
アクセス/
長野電鉄須坂駅(長野駅から26分)から「山田温泉」行きバスで約30分
須坂長野東ICまたは小布施スマートICから約30分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
信州高山村温泉郷協会
善光寺参りの精進落としの湯として発展し豊富な湯量で開湯120年を超える温泉
千曲川のほとりに約30軒の宿が立ち並ぶ長野県最大の温泉街。戸倉温泉では14本、上山田温泉では38本、合計52本の源泉が掘り起こされ、銭湯でさえも温泉を掛け流すほど豊富な湯量を誇っています。また、泉質の良さから「美肌の湯」としても有名。
外湯は7つあり、「万葉超音波温泉」は朝4時~23時営業(大人350円・小学生120円・幼児70円・3歳未満無料)、「湯の華銭湯 瑞祥」は9時(土日祝日は6時)~翌1時営業(大人680円・小学生350円・幼児100円※3歳以下無料)など、幅広い営業時間も魅力です。
外湯めぐりスタンプラリー「七福神外湯めぐり」もあり、入浴の際に各施設でスタンプカードに押印を受け、全てが揃うと記念品をプレゼント。有効期間は1年です。
なお、戸倉上山田温泉は約100年前から善光寺詣りの精進落としの湯として発展し、夜の街を彩る芸妓衆も温泉の顔のひとつになっており、遊興的雰囲気の強い温泉街でもあります。
観光情報vol.4「宿周辺の観光情報」では「戸倉上山田温泉」の周辺観光も紹介しています。
アクセス/
しなの鉄道戸倉駅(長野駅から約25分)下車。千曲川西岸へは駅からタクシーで約7分
上信越道坂城ICから約10分、長野道更埴ICから約15分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
千曲市観光協会
信州最古の温泉と名高い名湯。国宝や重要文化財などの歴史的建造物も
開湯時期は不明ながら、平安時代の記録でも確認できるほど古代から存在していたとされる別所温泉。信州最古の温泉とされ、日本武尊(やまとたけるのみこと)が7か所に温泉を開き「七苦離の温泉」と名付けたという伝説から「七久里の湯」とも呼ばれています。
温泉街には「大湯」「大師湯」「石湯」の3つの外湯(共同浴場)があり、源泉掛け流しで、いずれも6時~22時営業で150円とリーズナブル。「大湯」は湯量が豊富で、木曽義仲や北条義政ゆかりの湯として知られています。「大師湯」は平安時代に比叡山延暦寺の座主・円仁慈覚大師が北向観音堂建立のため当地を訪れた折、好んで入浴したことから名付けられました。岩の間から湯が湧きだす「石湯」は真田幸村の隠し湯といわれています。
このほか、温泉街には2つの足湯があるほか、「信州の小京都」ともよばれるほど多くの国宝や重要文化財が残されています。
観光情報vol.10「真田家の歴史を辿る旅」では「別所温泉」と真田家とのつながりや周辺観光も紹介しています。
アクセス/
しなの鉄道上田駅(長野駅から約1時間)またはJR上田駅(北陸新幹線で約11分)から上田電鉄別所線別所温泉駅(上田駅から約30分)下車
上田菅平ICから約25分、坂城ICから約20分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
別所温泉観光協会
江戸時代より湯治場としてにぎわった信州屈指のいで湯
30余りの源泉があり、日本で唯一、村名に「温泉」がつく野沢温泉村。開湯700年以上の歴史をもち、昔ながらの温泉街の風情と古き良き伝統が今なお色濃く残っています。温泉街にはシンボルともいえる「大湯」をはじめ13の外湯(共同浴場)が点在。新鮮で熱い湯が特徴で、泉質は弱アルカリ性、すべて天然温泉100%の掛け流しです。
いずれも江戸時代から村人たちの共有財産とされ「湯仲間」という制度で大切に守り継がれてきました。観光客にも無料で開放されていますが、掃除や管理、老朽化した建物の建て替えなどはすべて「湯仲間」によって行われているので、各外湯に設置されている賽銭箱には寸志の協力金を寄付したいものです。
なお、温泉街の代表的な源泉のひとつ「麻釜(おがま)」は90℃近い熱湯が絶えず湧出している村指定の天然記念物。村人たちが野菜や卵、伝統工芸のつる細工の材料を茹でるのにも使われることから「村の台所」とも称されています。さらに、各外湯には「洗濯場」が併設されていて、ここでも地元の人が洗濯や野菜を洗う姿が見られ、温泉が人々の生活に密着していることがわかります。
アクセス/
JR飯山駅(長野駅から北陸新幹線で約13分またはJR飯山線で約60分)から直通バス「野沢温泉ライナー」で約25分
豊田飯山ICから約25分
<詳しくはこちら(外部サイト)>
野沢温泉観光協会