2025.04.19
ライバルは荻原健司市長? 元オリンピック選手の森敏さん、故郷で挑む初の長野マラソン

■「故郷で走りたかった」
1998年に開催された長野冬季五輪の理念を継承しようと、翌99年に始まった長野マラソン。ノルディックスキー複合で同五輪に出場した下高井郡野沢温泉村出身の森敏さん(53)=札幌市=が初めて出場する。「思い出の場所」と話す五輪開閉会式会場だった長野オリンピックスタジアムのゴールを目指す。
現在は東海大のスキー部ノルディック担当監督。長野マラソンには過去に何度かエントリーしたが、出場できなかった。初めて申し込んだ2020年から新型コロナウイルス感染拡大で2年連続中止。3年ぶりに開催された22年は大学教員の立場から感染リスクを考慮して出場を諦め、昨年は大会前に体調を崩した。「故郷で走りたかった」という念願がようやくかなう。
■2019年にマラソン初挑戦
全日本学生スキー選手権の男子学校対抗で、東海大の連覇が5で途切れた17年が転機となった。「もう一度、本気で頑張りたい」と思い、距離スキーで学生と一緒に滑ったり、ビデオ撮影やワックステストをしたりする体力を取り戻そうと走り始めた。
最初は山の中を走るトレイルランニングが中心だったが、「人生でやっていなかったことをやろう」とマラソンを目指すようになった。初挑戦となった19年5月の洞爺湖マラソンを3時間26分34秒で走った。
■ライバルは長野市長
冬はスキーの指導で忙しく、札幌の道路には雪が積もる。4月のマラソン出場は「日程的にかなりきつい」と練習には苦労が多い。昨年はスキーシーズンが落ち着いた3月中旬から一気に練習を増やして体調を崩した。今年はその反省を生かして準備を進めた。
昨年6月下旬にはサロマ湖100キロウルトラマラソンに挑戦。最高気温が大会史上最高となる32・3度まで上昇する悪条件の中を10時間台で完走した。今年も同大会の出場を目指している。
長野五輪の複合団体メンバーの荻原健司・長野市長が今年もエントリーし、森さんは「勝ちたい」とライバル心をのぞかせた。
(信濃毎日新聞)
長野冬季五輪を記念して始まった長野マラソンに初挑戦する同五輪代表の森敏さん