残雪の北アルプス。咲き誇る桜や桃、菜の花。そして、石畳の善光寺門前。1万人のランナーが輝きに満ちた春の信濃路を走る「長野マラソン」は、長野の春の風物詩です。
はじまりは1999年。
前年の1998年に長野冬季五輪が開催され、世界中を感動の渦に包みました。その崇高な精神を受け継ぐかたちで、地元新聞社である信濃毎日新聞社が約40年間主催していた 「信毎マラソン」 (1958年~1998年)を母体に、長野マラソンはスタートしました。
レースは国内外のトップアスリートと市民ランナーが5時間の制限時間内に同じコースを駆け抜け、3,500人ものボランティアと沿道の大声援が大会を支えます。美しい自然、数え切れないほどの大観衆、世界のトップランナーと共に走る“夢の共演”。大会を構成するすべての要素が全国のマラソンランナーを魅了し、その人気は国内だけでなく海外にまで広がっています。
アクアウィングやビッグハット、エムウェーブ、ホワイトリング、長野オリンピックスタジアムなど、長野市内に点在する数々の冬季五輪施設。善光寺門前の情緒あふれる街並みや春の信州ののどかな景色をめぐり、豊かな自然を楽しめるコースは、比較的フラットですべてのランナーに走りやすい設定です。
「熱い応援に感動した」「沿道から元気をもらった」
長野マラソンに出場されたランナーの皆さんに感想を聞くと、そんな声が多く聞かれます。
そう、この大会の魅力は、景色やコースだけでなく、長野冬季五輪から続くホスピタリティー溢れる地元ボランティアの支えと沿道からの大きな声援にもあります。ボランティアには中学生から年配の方まで幅広い世代が集まるのも、この大会ならでは。また、観衆からも「一生懸命走るランナーの姿に感動した」「ランナーと一体感を感じられた」といった声が聞こえてきます。
ランナーも応援の皆さんも、お互いに元気や感動を分かち合えるのが「長野マラソン」の醍醐味です。そして、天候も景色も応援も毎年変わるからこそ、毎回新たな感動が味わえるのです。
2019年4月開催の第21回大会には、10,040人がエントリーし、うち9,493人が出走。男女比は約5:1で、制限時間は国内の市民大会では厳しい5時間であることから、過去5年間の平均完走率は84.4%と決して高くはありません。つまり、長野マラソンは日々トレーニングに励み、本気で自己ベストに挑むランナーに向けた大会です。大会事務局は、そんなランナーを全力でバックアップします。
また、リピーターを大切にしていることも、この大会の大きな特徴の一つです。第1回大会からの連続申込者には「ゴールドナンバーカード」、のべ10回以上の申込者には「シルバーナンバーカード」を贈呈しており、ゴールドナンバーカードは現在約324人、シルバーナンバーカードは約2,190人にものぼります。レース後はランナーから「来年も参加したい」という声が聞かれ、大会への満足度の高さがうかがえます。
さらに、近年は500人を超える外国人ランナーがエントリーされ、参加国・地域も40に及ぶようになりました。外国語対応を行うボランティアもおり、国際色豊かな大会を支えています。
「長野マラソン」の参加エントリーは、例年、大会の約半年前の10月第3土曜日午前10時に行います。近年多く見られる「抽選型」ではなく、第1回大会当初から変わらない「先着順」エントリー。これは、本気で長野マラソンに臨むランナーに挑戦していただきたいからです。毎年エントリー開始から約30分で定員に達します。
無事にエントリーができたら、次は12月中旬の宿泊予約。長野市内だけでなく、隣接する千曲市や上田市、信濃町のほか、電車でのアクセスが便利な小諸市や、バスでの送迎がある山ノ内町などの宿泊施設を紹介しています。いずれも長野市内とはまた違った趣を感じられるエリア。宿泊と合わせ、温泉や歴史探訪など周辺観光も楽しめます。
選手受付は大会前日にビッグハットで。受付を済ませたら、翌日のレース本番に備えつつ、春の信州の景色や観光を満喫してください。
また、レース前日やレース後には、温泉や信州そば、おやきといった郷土食など、信州ならではの観光やグルメを楽しむことができます。
マラソンだけでなく旅の面白さを感じることができるのも「長野マラソン」の大きな魅力のひとつです。